社労士試験には、2つの問題形式があるって聞いたけど、それって何?
選択式と択一式のことですね。違いを見ていきましょう。
- 選択式と択一式って、そもそも何?
- 問題数や試験時間に、違いはあるの?
- 合格ラインや難易度が知りたい。
- 選択式、択一式の対策を教えて。
この記事では、社労士試験に興味のある方や、初学者にもわかりやすいように、選択式と択一式の違いを、それぞれ解説していきます。
それではどうぞ!
選択式と択一式は問題形式の違い
選択式・択一式とは、問題形式のことです。
2つの形式の違いを、簡単に言うと
選択式:問題文のカッコに入る言葉を、語群の中から、1つ選ぶ形式
択一式:5つの問題文の中から、正解を1つ選ぶ形式
全問マークシート形式です。
言葉だけでは、わかりにくいと思いますので、
具体例を見ていきましょう。
選択式の問題例です↓
健康保険法の目的条文
この法律は、労働者又はその( )の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は、出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
語群
①被保険者 ②被扶養者 ③配偶者 ④家族
正解は②です。
選択式は、カッコに当てはまる正解肢を、語群から選ぶ形式です。
穴埋め問題とも言われます。
次は択一式の問題例です↓
労災保険の適用について、正しいものはどれか。
①非現業の一般職の国家公務員に適用される。
②国の直営事業で働く労働者に適用される。
③行政執行法人の職員には適用されない。
④常勤の地方公務員に適用される。
⑤市の経営する水道事業の非常勤職員に適用されない。
正解は③です。
5つの選択肢の中から、正解肢を1つ選ぶ形式が、択一式です。
①…× ②…× ③…〇 ④…× ⑤…×
『正しいものは③だけ。じゃあ答えは③!』
というように、1つずつ〇×をつけながら、正解肢にたどり着くので、〇×問題とも言われます。
選択式は穴埋め問題!
択一式は○×問題!
配点の違い
では次に、選択式と択一式の配点の違いを見ていきましょう。
選択式は大問1つで5点、択一式は10点です。
細かい違いは以下の通りです。
試験科目 | 選択式 (計5点) | 択一式 (計10点) |
---|---|---|
労働基準法 労働安全衛生法 | 3点 2点 | 7点 3点 |
労災 徴収法 | 5点 なし | 7点 3点 |
雇用保険法 徴収法 | 5点 なし | 7点 3点 |
労一 | 5点 | 5点 5点 |
社一 | 5点 | |
健康保険法 | 5点 | 10点 |
厚生年金保険法 | 5点 | 10点 |
国民年金法 | 5点 | 10点 |
合計 | 40点 | 70点 |
徴収法は、選択式での出題はありません。
これは大きな違いです。
試験で特に難しいのが選択式。
対策しなくていい科目があるなんて、ラッキーです!
また、健康保険法や厚生年金、国民年金は、1科目で選択式5点、択一式10点取れる科目なので、コスパが良いです。
特に健康保険は、内容が年金科目とかぶっている部分もあるので、得意科目にすると、高得点を狙えます。
試験時間の違い
試験時間は以下のようになっています。
択一式試験、長い…
選択式試験は、40問を80分で解くので、1問2分以内に解かなくてはなりません。。
択一式試験は、70問を210分で解くので、1問3分以内になります。
午後から行われる択一式試験は、3時間半と長丁場。
しかし、いざやってみると70問解き終わるにはギリギリの時間です。
スタミナと集中力が必要になるので、事前に模試で慣れておきましょう。
合格ラインの違い
原則は上記の通りなのですが、毎年試験の難易度に応じて、補正されます。
選択式は、近年補正はありません。
択一式は、2023年度では49点以上→45点以上となっています。
選択式・択一式の2つとも合格基準を満たさなければいけません。
たとえ択一式で70点満点、選択式9科目で5点満点取ったとしても、残りの1科目で2点を取ってしまうと、不合格です。(補正がない限り)
これがいわゆる足切りと呼ばれるもので、社労士試験の合格率が低い要因の1つです。
ただ、すべてマークシート形式なので、『運よく当たった!』なんてこともよくあります。
運も味方につけるぞ!
難易度の違い
選択式は5点中3点ですので、60%以上の正解率が求められます。
すべての科目で3点以上というのが難しく、受験生の多くが『1科目だけ2点だ…』となって、落ちています。
社労士試験では、苦手科目を作ってはいけないのです。
なお、選択式の総得点は、各科目で3点以上取れば、30点以上になるので、気にしなくていいです。
択一式は70点中49点ですので、70%以上の正解率が求められます。
またすべての科目で4点以上必要ですが、選択式よりはクリアしやすいです。
『択一式では合格基準に達しているのに、選択式が…』
となるのは、社労士試験ではよくあることです。
試験の難易度は行政書士より高く、税理士より低いです。
まとめ
最後に、今回ご紹介した内容をおさらいしましょう。
【選択式・択一式は問題形式の違い】
選択式
問題文のカッコに入る言葉を、語群の中から1つ選ぶ問題形式
択一式
5つの問題文の中から、正解を1つ選ぶ問題形式
【配点の違い】
大問1つで、選択式5点・択一式10点
徴収法は選択式での出題なし
【試験時間】
選択式: 80分(1時間20分)
択一式:210分(3時間30分)
【合格基準】
選択式:40点中26点以上+各科目3点以上
択一式:70点中49点以上+各科目4点以上
(択一式は合格基準が下がりやすいです。)
【難易度】
選択式:基準点割れしやすく、難易度は高い
択一式:選択式よりクリアしやすい
選択式と択一式の違いを5つご紹介しました。
受験を考える際の基本情報として、ぜひ押さえておいてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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